星ひろい

1 : 星のある場所へ

 星を捜しに行こうと思う。星はいいものだ。素敵な光だ。いつも美しい。

 地上に落ちているものはたいへんに珍しい。だけど、今夜は見つかりそうな気がする……うちの猫のミレニアムがヒゲをなでながらそう言うのだ。月のかけらのようなくりくりとした瞳で、僕を見て、捜しにいくように勧めるのだ。そこで僕もその気になって、お茶を片づけて、出かける準備をした。外は日暮れ時で、これから出かければ時間もちょうど良い。

 ミレニアムは地図の上にのっかって、くんくんと鼻を鳴らしていたが、ツメの先でいくつかの場所を僕に示した。このへんにひとつ、このへんにひとつ。多分、そんなトコロだと思う、と彼は考え深く意見を述べた。僕としては、彼の勘に逆らう理由はない。

 彼が示したのは、川沿いの谷と、大きな大きな湖と、そして静かな森の中だった。僕は腕組みをして、どこに出かけようかと考えた。