星ひろい

7 : 静かな森

 僕らは左の道を選んだ。

 すこし明るいこちらの道は、僕らにちょうどよかった。ミレニアムが僕の足にまとわりつきながら、前になり後になりついてきた。そのうちに、僕らは小さな広場に出た。その真ん中には大きな樫の木があって、その根元が小さく光っていた。ミレニアムと僕は、息を殺して近づいた。

 そこに星があった。小さくて、弱々しく瞬いていた。僕は、そっとそれを手に乗せると、ミレニアムに見せた。

「素敵だね」

ミレニアムは感心したように言った。

 僕らはその星を持って帰って、ベッドのそばにそっと置いた。夜になり、灯を消すとそれはしずかに瞬き、優しい光で僕らを包んでくれる。

おしまい