僕らはボートで湖に漕ぎ出した。ミレニアムは水が嫌いなので、ボートの真ん中で縮こまっている。僕はのんびりと湖の真ん中にまで漕ぎ出すと、両手を投げ出して横になった。星空が一面に広がっている。と、流れ星が一筋流れた。
僕が眺めていると、突然その流れ星は向きをかえ、こちらに一直線に落ちてきた。僕はあわてて、ボートの真ん中のミレニアムを抱え、波に備えた。
大きな音を立てて、流れ星がボートのすぐそばに落ちた。大きな波でボートは揺れ、ミレニアムは不安そうに僕にしがみついたが、ボートは無事だった。そのかわり僕らはしぶきを頭からかぶってずぶぬれだ。
僕らはボートを引き上げ、岸辺で火をたいた。
「間近に星が落ちるなんて、貴重なことだよ」
くしゃみをしながらミレニアムが言った。僕もそれに同意した。
「手に入れることはできなかったけど、それでも今夜、僕らは幸運だったね」